【脱髄疾患CIS闘病記】第9話 装具との出会い-くままま立つ

リハビリ記
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やあ~!

作業療法士さんとのベッドサイドでのリハビリ

今の体と向き合い、自分でも手足を触り感覚入力をするようになった くままま

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ちょうどその頃、ステロイドパルス療法が始まりました

そこへ新たな味方が現れたのです…

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これはわたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


初めての装具


ステロイドパルス療法が始まって2日目

2020年11月26日

入院6日目


入院直後からお世話になっている作業療法士さんに加えて、リハビリサポートにもう一人の強い味方!理学療法士さんが部屋へきてくれるようになりました

理学療法士さんは、「足の動き」を中心にサポートしてくれます


まずベッド上での運動

「腰を上げてください」

その言葉に反応し、寝たままの状態で腰を持ち上げる くままま

左足は動かせないが、体幹は割りと動いてくれる


寝返りをして、

起き上がる

ベッドの端に足を下ろして座る

ベッドから車椅子への移動


この何でもない基本的な動きが本当に意味が分からない 笑

サポートしてもらいながら、どうにか車椅子に移乗する


そして、この日初めて目にした道具…

装具

これを、左足に装着してもらう


股関節の下から膝、足首、つま先までが装具にがっちりと包まれる

なんだかサイボーグみたいで、カッコ良し 笑


「今日はこれを付けて立ち上がります」


えーーー!!わたし立てるの???


作業療法士さんとのリハビリで、昨日までテーブルにつかまり、しかも支えてもらってでなければ立てなかったのです

テーブルもないのに・・・

出来るのかな・・・


ちょっと怖いなという気持ちと、

立ちたいという気持ちが渋滞する…


体を支えてもらい、立ち上がる

左足は装具でガチっと包まれているおかげで、カクンとならずに真っすぐ伸びている


高い!


足が真っすぐ伸びて立てていることもあるのか、「立って見える景色はこんなにも高かったかな…」と思う

つい1週間前までは当たり前の目線だったはずだけれど、寝た状態の時間が続くと 今ではこちらの目線の方が当たり前の感覚…

ヒトは良くも悪くも順応するのが早いようだ…


相変わらず左足の踏んでいる感覚はない

右足にも痺れが広がり、寝たきりになって浮腫んでいるのもあるのか感覚が感じ取りにくくなっていた

今日は立ちった時、右足の感じが昨日より分かる気がする

ステロイドパルスの効果か…


立ったは良いが、左右のバランスが取れない!

あっちへふらふら、こっちへふらふら…

体はどうにかバランスをとろうと必死

立つ姿勢の時間が長くなるにつれて、少しずつ安定してくる

「装具を付けて立つ」初日のリハビリ終了時には、少し支えてもらうだけで立つことができるようになる


すべてが感覚

すべてが感じるのみ


こうして くまままは、この日から「立つ」という動作機能を身につけるべく足のリハビリが開始されたのでした


動ける喜び

足のリハビリ2日目

2020年11月27日

入院7日目


足のリハビリが加わり、翌日は疲労感が抜けない

朝から痺れも強い


ベッドから起き上がって座るまでの一連の動作の練習

理学療法士さんに少し手伝ってもらいながら座る

ベッドサイドに座っている姿勢は一人で保持できる


装具を付ける

立つ動作をすることで、足の裏から感覚が入力されているのがわかる

昨日よりバランスが取りやすい

立つときに支えてもらう量も減っている

今日は自覚的に疲労感があるので今日はこれで終了


リハビリの意欲は高いのだけれど、ついつい頑張りすぎる性格の くままま…

ベッド上でもリハビリで教えてもらった動きの自主練を欠かしません

入院中は何度も過剰負荷には注意するよう諭されるのです 笑


ほぼほぼ全ての動きに介助が必要だった 入院当時のわたし…

寝返りや起き上がる基本的な動作の練習をするようになってから、嬉しい変化が

それは、介助してもらう量が減った こと

看護師さんが清拭に来てくれた時、ベッド柵を持って左右に寝返りをして協力できる

おしめ交換の時に自分で腰を持ち上げて協力できる

検査へ行くとき、ベッド柵を右手で持ってほとんど自分で起き上がることができる

ベッドから車椅子まで移乗する時も、看護師さんの肩を貸してもらい少し支えてもらう程度で移乗することが出来るようになっていた

まだまだおぼつかないが、自分で動作をしようと思って、動きたい動きが出来ることが本当に嬉しい

ますますリハビリを頑張りたい気持ちが増す


もっと自分で出来ることを増やしたい

以前は当たり前のこと

今はそれがすごいこと 笑


くままま「立つ」


2020年11月29日

入院9日目


この日は、ステロイドパルス療法終了の日

ステロイドパルス療法を始めてから、自覚的に 日に日に動きが良くなっているように感じている

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この日の「足のリハビリ」が始まる

いつものように「寝返り」~「立ち上がり」、装具を付けて「立つ」という基本的な動作を終了した時のこと


「今日は装具をつけたまま歩いてみましょう」と理学療法士さん


えっ??? アルク・・・???


私は心底驚いた

歩ける見込みはない…そう覚悟していたから…

目標は「車椅子に自分で乗れるようになる」ことだったのだから…


「えーー!わたし歩けるんですか!はい!やってみたいです!」


と、意気揚々と言ったのはよいのだが…

その日のリハビリは、「歩く」とは程遠いものだった 笑


まずは、病室を出るまでが大変

理学療法士さんが後ろから支えてくれる

支えてくれるというような 軽やかな かっこいい物ではない 笑

それは、持ち上げてくれるに近い状態…


「右、左」と足を出すのだが、動く右はともかく、左足をどう出せばいいのか分からない

装具は足全体を上から下までがっちりホールドされているので、膝を曲げることが出来ない

左足を出す時には、膝を伸ばしたまま 外に回して出すに近い感じ

でも、歩数の回数を重ねると なんとか自力で振り出すことは出来るようになる


イモコがわたしにつながっている点滴と尿バッグを引き連れて、わたしたちの後を追ってくれる

ありがとう~イモコ~


「ミギ~ ヒダリ ミギ~ ヒダリ・・・」

理学療法士さんは必至でわたしを支えながら、掛け声をかけてくれる

わたしも一緒に声を出しながら進むのだが、途中で足が上がらなくなってきた

ナースステーションの周りを1周して病室まで戻りたいのだが、まだ半分…

足の感覚は当の昔にない、疲労感はピーク


途中、看護師さんたちが「くまままさん!がんばれーー!」と声をかけてくれる

寝た姿しか毎日見ていないので、本当にびっくりされている方もいらっしゃる

皆さんに温かく見守られながら、なんとか病室まで帰ってきた

理学療法士さんは、もう汗だくだく…笑

自力でまともに歩けない人を支えて歩くのは、想像しただけで大変…

感謝しかない…

歩くのって大変! 笑

自力で歩けるようになるまでの道のりはまだまだ遠そうである…


病室で、ベッドへ戻る前に 立つ練習をもう一度やる

後ろで体を持っていてくれる理学療法士さんと、おしゃべりしながら立つ


話終えて、理学療法士さんはこう言った


「くまままさん、今自分で立ててますよ」


えっ???この人は何を言っているのかな???

わたしが自分で立てるはずがないでしょうに…

自分で立つってのは支えがないってことなんだよ?

あなた、今わたしを支えて・・・


「僕、今手を放してますよ」


え???テヲハナシテイル???


えーーーー!!!

それは自転車に乗る練習している子供に使う手法じゃないですか!


「鏡を見てください」


病室の鏡に映っている くまままの横で、理学療法士さんは笑顔で両手を上げている


「本当だーーー!!!わたし立ててる!!!」


しばらくわたしは、驚きと興奮で「えーーー!すごい!」を連発 笑

イモコは初めて立てた記念にスマホで写真を撮ってくれた

そこには、左足に装具を付け 心底嬉しそうな笑顔の くまままが右手でピースして立っていた

この日の感動は一生忘れない事だろう 笑


こんな感じで足のリハビリも始まりました

作業療法士さんが「手の運動」を、理学療法士さんが「足の運動」を主にサポートしてくれます

くまままは、今後このお二人に本当にお世話になるのです…

この連携によって、くまままの運動機能はこれから飛躍的に向上していくことになります

今、日常生活が出来ているのは、このお二人のおかげと言っても過言ではない程に…

もちろん、ステロイドパルス療法による効果もありますが、「リハビリをする」ことでこんなにも違うのだという事を体感しました


リハビリしてもらうのではなく、あくまで 自分でする こと

主体性をもった姿勢は体の機能向上にとっても大切であることも実感しています


でも、これは何もリハビリに限ったことではないかもしれませんね

人生のすべては わたしが決めている

わたしは「どうしたいのか」「どうがいいのか」

主体はどこまでいっても わたしにある…

日常生活に戻った今も やっぱりそう思う くまままです


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません


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◎体を動かす喜びと共に健やかにお過ごしください

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