【脱髄疾患CIS闘病記】第14話 ひとりじゃない!タオルは友達

リハビリ記
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やあ~!

リビングのテーブルを拭いていた朝・・・

しかも右手から左手に持ち変えても・・・

手を動かしている・・・右へ 左へ・・・

動かすぞ~!なんて意気込むこともなく

ほぼ無意識に・・・


すご~~~~!!!


最近は当たり前になりつつあるこの感じ

初めて手を動かし始めたリハビリの事を思い出しました

まだ左手は完全に動かないころのお話です・・・


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これはわたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


タオルでワイピング


2020年12月初め


今日も作業療法士さんとの手のリハビリが始まった

まずは、起き上がらせてもらって ベッドの端に足を下して座る


まずは、手のリラクゼーションから

この時間は ゆるゆるほぐれるリラックスタイム

常に筋肉が緊張している左手

左手は握ったまま、肘を曲げた状態

胸の位置で固定

ここが定位置

ガチっと固まっている

自ら力を抜くことが出来ない

自分で出来ないから、ほぐしてもらえるのは本当にありがたい


手が ややほぐれたところで、

手を置きやすい高さに調節したサイドテーブルを体の前に持ってきてくれる


この日 作業療法士さんが取り出したのは



タオル


作 「これで、手を動かしていきます」


手を動かす???


いやいや無理でしょう~

左手は動かないんだから~


そう思いながら、話の続きに耳を傾ける


ワイピング というそうだ


方法はこう!


①テーブルの上にタオルを置く

②タオルの上に麻痺側の左手を置く

③動く右手をその上に置く

④そのまま 右手主動で前後、左右に動かす


まずは前に

タオルはテーブルの上を滑らかに滑っていく

前に伸ばすと久々に伸びる筋肉

ぐーーっと伸ばしていくと気持ちがいい


次に手前に戻す

右手を動かすと、左手はおのずと一緒に動く


これを数回繰り返す


次はそのまま、右へ 左へ

左右にゆっくりと動かしていく


体幹も動いていることがよくわかる

そして肩甲骨あたりがすごく動いているのを感じる


手を動かす行為は

決して「手」だけが動いているのではない


体幹、肩甲骨、腕、骨、筋肉・・・

様々なところを一緒に動かすことで手先が動くのだということを知る


一人だけれど ひとりじゃない


ワイピング は世界中の麻痺を経験した人々が みんなリハビリでやります」

作業療法士さんは そう教えてくれた


病室で手が動かないのは自分一人・・・


だけれど、世界中には同じようにリハビリに取り組んでいる人がたくさんいる

脱髄疾患はそもそも欧米に多い疾患



世界中の・・・





その言葉一つで、勝手に仲間意識が芽生える



自分と同じように自分の体に、

リハビリに向き合っている人がいる


全く知らない場所の、全く知らない人々が

急に近く感じて、一人じゃない気持ちになる


そして、これを経て再び動きを取り戻したであろう

たくさんの人々へも思いが至った時

とっても励まされた

勝手に想像しただけだけれど 笑


でも、

わたしは一人じゃない!

がんばろう!

そう思えたのは確かなこと


作業療法士さんは、タオルを一つ病室に置いていってくれた

サイドテーブルのいつも手に届く場所に置いておく


ベッドを起こしたら、ワイピング


気付いたときに、ワイピング


それからといもの、ワイピングは1日の中に幾度も登場する

ワイピングはわたしの入院生活の一部になった

わたしの部屋のサイドテーブルはとってもピカピカだったに違いない 笑

そう! タオルは友達! 笑



そして現在のリビングでは・・・

わたしは今日もテーブルをワイピング

ただ、リハビリとは思っていなくて

「机を拭こう~」と思って 手を動かしている


何てことないことだけれど、

手が思ったように動かせるのって本当に幸せ



麻痺があってもなくても、

タオルを使ってのワイピングは

肩甲骨周辺を無理なく動かすには

とっても有効だと実感している現在


生活の中で肩の周囲が固まっているな~

肩こってるな~ と思ったら、

ワイピング おすすめですよ

やってみて 笑


●体からの学び

#「手」を動かすのには、体幹も肩甲骨も様々な骨や筋肉を使う

#毎日少しずつの繰り返し運動で動きを再獲得

#肩甲骨周りをほぐすにはワイピングが有効


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません


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