【脱髄疾患CIS闘病記】第38話 新しい感覚入力/自分の取扱説明書

リハビリ記
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やあ~!

リハビリの主体性を痛感した くままま

次はどんな変化があるでしょう

リハビリ記の続きをお話します



これは、わたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


省エネ


2020年12月12日

入院22日目


手足の痺れは常にあるのだが

昨晩から、痺れが増しているように感じていた

朝起きてから、それは確実なものとなった

感覚が戻ってきているから、元あった痺れがさらに感じやすくなっているだけなのか・・・

昨日の訓練の疲労が影響しているのか・・・

理由は定かではないが、とにかく 今日は痺れが強い


トイレに行くとき 立ち上がったら、痺れが広がりしばらく動けない・・・

寝ているとき、膝を長いこと立てていて、伸ばした時に感じるジワーっという痺れに似ている

しばらく動けない感じも そっくりだ


しかし、左手と足の動きは 悪くない

むしろ昨日よりスムーズに感じる

繊細な動きがより自然になった気もする

総じて、全体的には悪くないのだと思う


今日は痺れの日

こんな日もあっていい

痺れは日によって増強する

そして、これからは これが日常になる

ゆっくりいこう ゆっくりでいい


本日の血糖値 76

いつもより、少しだけ低め

「何か食べてくださいね」

と看護師さん

まあ安定しているのではないかなと思う

わたしは、血圧も低めだし、食事量も多くは必要ない、何もかも省エネタイプだ


以前のように動けない今の体は、行動も省エネタイプになったといえる

いや、何もかも省エネなら 戻っただけ ともいえる?ww

戻っただけなら、より等身大になっただけ

この体のペースを受け入れて、残りの人生を楽しみ続けようと改めて思った

病室のベッド上 そんな朝の始まり


背中・胸/ひねり/見えない領域の位置感覚


午前中のリハビリ

昨日はお休みだった、いつもの作業療法士さんが来てくれる


昨日一日、わたしの中で起こったことを聴いてもらう

この状況に満足しかけていたこと・・・

甘えていたのだとわかったこと・・・

自分軸に戻ったこと・・・

気持ちを新たに、今日からよろしくお願いします!

と、気付いたことを話す


そして、昨日から感じていて 教えてほしかったことを質問する

身体の前面 胸とお腹側、胃の後ろ背中側の感覚を入れたいこと


●昨日のリハビリで教わった 棒を使った運動で、三次元の動き、ひねりを入れたいこと

しかし、そうするには、後ろ背中側の領域・手の上の領域の位置感覚が よく分かっていない

つまり、目に見えていない領域が分からない

だから、目に見えない領域の位置感覚を入れたいこと


作業療法士さんから教えてもらったこと

背中・胸の感覚を入れる

タオルでこすってあげること
  ↓
 刺激を感じることで感覚を入れていく

清拭・シャワーの時間に意識して取り組もうと思う


ひねりの運動

ループタオルを使って背中を洗う要領で腕を回していく
  ↓
 腕を回すことでひねりの運動が入る

〈応用〉ひねりの運動をしながら、
●タオルを上げ下げタオルを左右に
 複数の動きを組み合わす
  ↓
 するとお風呂で背中が擦れる

生活の中のリハビリ

ぜひ取り入れたいと思う

シャワー浴の時には、実践練習だ!

家でも、このループタオルのようなもので背中を洗うとよいかもしれない


ただ、左手を回しかえるとき、全く意味がわからない

どう動かしていいのか、

腕がどうなっているのか、

今どこにあるのか、

全てがなぞ・・・

この0の感覚から どこまで感知できるようになるか、実験しようと思う


サポートしてもらって動かすと やりやすい

動かすと捻っている筋肉を意識できて、気持ちが良い

「気持ちが良い」と言う事は、昨日の足と同じで筋肉を使っていなかったから

無意識の意識化

日々一歩一歩


目に見えない領域の位置感覚

ホースの輪っかを左手に持つ
  ↓
 目をつぶる
  ↓
 指示通り輪っかを運ぶ

例)頭の後ろ→を通って右手に渡す
  右足→椅子に座っている膝裏を通して右手に渡す
  左足、背中の後ろ、両足、同様に通していく

感覚を「感じる」のは、目をつぶっている方がやりやすい

数回繰り返すと、輪っかを持っている感覚が左手全くわからなくなる

疲れている

わからないことは「わからない」と言う

こうなると休憩

自分の感覚は自分にしか分からないから


服に洗濯バサミをつける
   ↓
 目をつぶる
   ↓
 服を触りながら、左手の感覚だけで洗濯バサミを見つける
   ↓
 洗濯ばさみをとっていく

目をつぶって触っていくと、何か当たったかな?位の感触

金属っぽいひんやりした感じがほんの少し

そんな微妙な感覚だけで、あるかも?


目を開けてやると、そんな微妙な感覚が「持っている」という、もっとはっきりした感覚になる

目で見て脳が理論付けて安心させようとして嘘をついている

本当の感覚は「ほとんどわからない」

脳で嘘をついて、わかっているようなふりをする

目に見えているものは、幻想のように感じる

本当はぼんやりしていて、触ったかなぁ?位の曖昧なもの

これが今のわたしの等身大の左手の感覚

つまり、「ほとんどわかっていない」が現実

ここが0

これから どれだけ感覚が違っていくか、こちらも実験していく

いつも真実の目で見ることを 忘れないでおこうと 心から思う


自分の取扱説明書


この日、作業療法士さんからいただいた言葉がある


くまままさんの 人生の主人公は くまままさん自身です

 あとの人は サブキャラです

 ちょっと重たい服に変えただけ

 ちょっと重たいブローチつけただけ

 自分の取説を作ってください

 くまままさんが くまままさんの人生を、くまままさんらしく 生きていってください


ドーンと心に響いた

自分の中に一つ目印が立った

迷ったら、進めなくなったら、この言葉に戻ってくればいい

そう思えるほど、大事な言葉になった

ありがとうございます (´;ω;`)ウゥゥ


早速、自分の取説を作りました

くまままの取扱説明書

●脱髄疾患(CIS)です
●左半身が動かしにくいです
●左の指先の細かな動きは苦手です
●右半身は熱い、冷たい、痛いが はっきりわかりません
●左手足は全部、右手足は末端が、ず~っと痺れています
 常に痛みもあります
●少しの時間しか力が続きません
●少量頻回の動きです
●動いたら休まないと回復しません
●体温が急に上がると動けなくなります
●困っていたら、助けてください


頭の中で自分の現状が把握できた

自分の取説を作ったら、他人に自分のことを説明しやすいと思った

日常に帰っても、この新しい動き方で工夫しながら生きていく


自分が快適に過ごせるのであれば、介護用品も最新機器も取り入れよう

わたしの生活をクリエイティブに

より生きやすいように、より楽しいように


障害が あろうと なかろうと、

病気が あろうと なかろうと、

わたしは わたしで 何も変わっていません

ただ 服が重くなっただけ

たった それだけ


つづく


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません


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