【脱髄疾患CIS闘病記】第40話 右手の痛み/洗濯/手紙

リハビリ記
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やあ~!

リハビリを暴走しがちな わたくしww

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これは、わたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


右手の「痛み」


2020年12月13日

入院23日目


今日は休息日

リハビリはお休み

作業療法士さんも、理学療法士さんも来ない

生活動作でリハビリをしていく


夜は良く眠れる

夜トイレに立つこと3回

排尿は順調

手足の痺れは、やはり昨日とあまり変わらず強く感じる


昨晩、こんなことがあった

トイレが終わり、水を流すために右手でレバーを押した

その後、鮮烈な感覚が走る

「イッターーー!!」

と、思わず右手を引っ込める

左手で、痛い右手を摩った

レバーの根元の隙間に右手の肉が挟まったのだ

そもそも、トイレの水を流す時にレバーに手を挟んだことなんて 生まれてから今までなかったから ビックリした

ちゃんと手元を見ずに、レバーを押したものだから、思ったよりも深く手を置いていたようだ

感覚が分からないのも不便なものだ・・・

そう思いながら、撫でられる右手を見て はたと気付く


ん???

痛い・・・


右手が??

痛みの分からないはずの右手・・・


えっ???

あれっ???

わたし「痛い」と感じている!?

感覚戻ってきている???!!!


痛みよりも、

痛みを感じた」喜び が大きかった


何も感じなかった右手が、「痛い」と感じている・・・

1㎜も自分で動かせなかった左手で、右手を撫でている・・・


「痛い、痛いよ!」

トイレで一人 泣きながら笑った


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左の痛みを感じる鮮明さよりは、比べるとまだぼやっとしているけれど、痛いと感じることができた

感覚が戻ってきている・・・

そう考えると、痺れが強いのも、感覚が戻ってきている流れで、本来の痺れの程度を感じているだけ? なのかもしれない

もし通常の感覚であれば、日々どれだけの痛みを感じていたのだろうと考えると恐ろしいけれど・・・ww

結構痺れてるけど、良いことなのかもしれない

そんな楽観的思考で一日が始まった


洗濯


今日は、イモコと交代して オットさんが付き添いにきてくれている


オットさんに付き添ってもらい、洗濯室へ

洗濯物は いつも家族が持って帰って、家で洗濯して持ってきてくれていた

「自分でやってみよう」と 思えたことが嬉しい

今まで、たくさんサポートしてくれた家族には感謝しかない


洗濯物を洗濯機に入れる

洗剤を入れる

ボタンを押す

その一つ一つの行為が、以前の自分からすると信じられないくらい遅い

時間をかけて、一つ一つ

ゆっくり動かして「出来た」達成感はすごい

今までのわたしは、早く早くとスピード感を自分に求めていたところがある

だが、今のこの体の自分にそれを要求することは、無謀であり 無意味である

「肩甲骨を」とか、「親指側の筋肉を」とか、「ここを捻る」とか、一つ一つの動きを感じることのほうが大事であるし、そのことに集中しなければ 思うように動かせない

リハビリの時間に練習した動きを、日常の動きで再現していく

頭も体もフル回転だ

極めて刺激的である

休息日とはいったい何なのだろう・・・ww

わたしの好奇心と暴走する性格は簡単に変えられない

潔く諦めよう

これでいいと ww


使い切りの分量が入っている小分けの洗剤

手が不自由になってわかったが、パックを開けるのが難しい

つまんで持って維持すること

指先で開け口を持って引っ張ること

う~~ん、手先を使うのって難し~~

この経験から、

ジェルボールタイプのものを買ってきてもらう

箱を開けることさえできれば、一つ掴んで入れたらいいから


洗濯物は乾燥機にかけずに、部屋に干すことにする

ずっと空調は快適な温度に設定されている

でも、冬場の今は乾燥する

少しの洗濯物だけれど、加湿できればいいなと思って、部屋にあるハンガーに洗濯物をかけてみる

しかし、これがまたスムーズにはいかない

右手と左手の連動と左手の維持、指先の繊細な動き・・・

生活動作を実際にやってみると、自分の課題が良く見える・・・

干すために高いところへ手を伸ばすのも大変で、オットさんに手伝ってもらう


まずは、洗濯室へ行けたこと

そして、洗濯をしてみたこと

そのことに大きな丸を自分にあげたい


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手紙


オットさんと「手紙を書こう」と話し合う

日頃お世話になっている近しい周りの人たちに向けて


入院当初は酷い状態だった

麻痺で動けず、排尿も止まり、激痛に襲われ、病名も付かず、東京へ転院の可能性など・・・

状況がはっきりと定まらず、なかなか報告ができなかったのが一つ

自分自身の体と向き合うのに精一杯で、それどころではなかったのがもう一つ

近況報告をしたいと思えたのだ

状況が安定してきた証拠だ

やっと、報告できる

そのことがとても嬉しい


とはいえ、痺れも強くペンが上手く持てない

オットさんに、代筆してもらうことにする

文字を書くのは好きだった

また以前のように書けるようになりたい

そんな意欲が今、自分にあることも嬉しく思える


今までの過程を言葉にしていくと

我ながら なかなか壮絶なストーリーだった


今、リハビリを頑張っていること

自分の足でまた同じフィールドを踏みたいこと

皆さんと笑顔で会いたいこと・・・


手紙を書き終えたわたしは

ますます、リハビリを頑張ろうと思った

会いたい人がたくさんいる

この身体を使って、やりたいことがまだまだある

そのことが嬉しかった


特に親しい人たちには個別でメールもした

手紙やお守りや力になるもの

想いや祈りをたくさんいただいた

面会できないのに、病院まで届けてくださったり、家族に託してくれたり

朝起きて、眠る前に、病院の前を通るたびにと、それぞれが祈ってくれていることとか・・・

そんな一つ一つに感謝が溢れ、力をもらい、有難くて幾度泣いたかわからない

苦痛の中の真っ暗なわたしの心に光をもたらしてくださった方々

それぞれに、感謝を伝える

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わたしの命は続いている

「また会える」

そのことが、どれほど奇跡的で素晴らしいことであるのか、今は痛いほどわかる

「いつもの普通の日常」

その中に折りたたまれた無数の奇跡や、幸せや、有難さがキラキラと眩しくみえる

病気をして、動けなくなって、命の終わりも覚悟して・・・

やっと、やっと、これがわかった

身体がある

会いたい人がいる

わたしにもまだ日常がある

豊かだ

わたしって幸せ者


つづく


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません



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