やあ~!
くままま の闘病記第3話です
ついに入院する くままま
では続きをどうぞ
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【脱髄疾患CIS闘病記】第1話 病気のはじまりの巻 | 楽ちんな珈琲タイム (rakuchinkohii.com)
【脱髄疾患CIS闘病記】第2話 入院するの巻 | 楽ちんな珈琲タイム (rakuchinkohii.com)
これはわたしの過去の体験です
ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです
緊急入院
2020年11月21日
入院初日
救急車は無事病院に着きました
運ばれるまま
わたしを乗せたストレッチャーは進みます
ここが どのフロアなのかも理解できず 移動する天井だけを見ていました
数人がかりでベッドに移乗してもらい、わたしはある一角のカーテンの中に納まりました
幸い首から上はしっかりしている わたしは
看護師さんやお医者さんに これまでの経緯をお話しします
左 手足は麻痺 動かせない 触ってもわからない 位置がわからない 手足ピリピリ痛い 右 自分で動かせる 手足の痛覚わからない 温度感覚わからない 首 周期的な激痛 体幹 知覚の低下 膀胱直腸障害
これが入院時の体の状態
気付けば 手には点滴の管、
足元には尿バックの管、
酸素濃度計、血圧、心電図…
あっという間にわたしの周りは線だらけ
状況は最悪だけれど、病院に着いてから何とも言えない安堵感に包まれている
もう我慢しなくてもいいのだ…
そんなことを思っていると、
この状況って・・・
めちゃくちゃレアじゃない?
という自分が出てくる
まるでめったに当たらない宝くじ高額当選気分 笑
つい先生に口走ってしまった
「宝くじに当たってしまいました~ 笑」
先生 ぽか~ん
この子、激痛とシビアな状況で ちょっと精神的ダメージきてるなあ…
という心の声が漏れ出ているような表情の先生をしり目に
もうどうとでもなれ~
どうすることもできないし
手放して天に任せよう~
そんな清々しい気持ちすらしてきました
痛たたたた~~~ 涙涙涙
例の痛みは容赦なくやってきます
苦痛
状況はやっぱり最悪だけど・・・
1週間後にするはずだった 造影MRI検査 を緊急で受けることに
ガガガガガ…
大きな音がする中、ドームへ入って1時間弱
その間に襲ってくる痛みに耐えるのに必死
何せ動いてはいけないのです
うまく撮れなくて再びこの苦行はしたくない
涙にじませ耐えに耐えてなんとか終える
東京一人旅⁈
検査の結果と現状を整形外科の先生が説明しにきてくれました
●画像で頚髄の髄内病変を認めること ●現時点では 髄内腫瘍と出血が疑われるが おそらく髄内腫瘍の可能性が高いこと ●髄内腫瘍であれば、手術を考慮する必要があること ●髄内腫瘍は頻度が少なく、手術を出来る機関が日本に数か所しかないこと ●この病院では、東京か浜松の病院を紹介していること
で、
東京か浜松どちらにするか考えておいてください
え?????
何? いきなりその2択?
わたし今入院したばかりなんですけど…
いや 今考えられるわけない!
しかも、世間は今流行りの感染症でコロコロ言っています
現在病院の面会も出来ない状況です
「 行く場合は、
当院のスタッフが同行しますので
一人で行ってもらう ことになります 」
わたしは流行なんか追った覚えはないのに…
ああ、無情…
もう頭は真っ白
その後荷物を持ってきてくれた家族と少し話をすることができました
家族も急な展開についていくのに必死だったはずです
「手術できるのであればやれることはしよう」と背中を押してくれます
夫は「行けないと言われても、仕事をしばらく休んでついていく」と言ってくれました
わたしはまだ受け入れられずにいましたが、正直その言葉はとても心強く嬉しかったのをおぼえています
地方に住むわたしにとってはちょっとした旅です
しかもこの体の状況で・・・
一人で・・・
東京・・・
不安しかありません
髄液検査
2020年11月23日
入院3日目
家族が持ってきてくれた荷物の中に、子供が作った手縫いのペンギンのぬいぐるみが2つ入っていました
看護師さんがベッドに置いてくれました
いつも手に持っていた大事なペンギンをわたしのところへ遣わしてくれた子供の優しさに涙が出ます
二人の子供たちと思って一緒に眠ります
急に会えなくなって、子供たちもさみしい中頑張っている
こんなところでへこたれている場合ではないぞ!と少し勇気をもらいました
今は色々考えてしまって泣いてしまうけれど…
痛みは相変わらずやってきますが、お薬が効いてきたのか少しだけ和らいできた様子
2020年11月24日
入院4日目
脳神経科の先生からお話しがありました
●髄内腫瘍以外に 脱髄 も可能性としてあること ●入院当初からすでにステロイドを使用しているのでマスクされてしまい評価が難しいかもしれないが髄液検査をしたい
ということで そのまま急遽 髄液検査をすることになりました
麻痺が出ていますが 頑張ってエビぞりになります
背中の骨の間から髄液を採取していきます
覚悟していましたがそれほど痛くありません
麻酔が効いているからなのか、先生の腕が良いからなのか
首のほうがよっぽど痛い 笑
その後、MRI検査 も行う
ステロイド大量投与大作戦!
2020年11月25日
入院5日目
右手足の感覚がおかしい
痺れが広がってきている
文字が上手く書けなくなってきて悲しくて涙が出る
せめて右の機能は残っていてほしいと強く思う
昼間 脳神経科の先生から説明をうけました
●頚髄病変の確定診断は生検が必要となるが、すぐには施行困難なこと ●臨床症状、MRI画像共に悪化していること ●画像では上位頚髄から延髄に向けて、対側に向けて伸展 スピードが速い ●このままだと、呼吸中枢などへの影響と四肢の障害が出てくる可能性があること ●症状のさらなる進展予防として、ステロイドパルス療法を考えていること ●脱髄であれば治療 になること ●腫瘍や炎症など他の病変であれば一時しのぎになること ●効果を見て今後の方針を検討することになること ●原則論としてはステロイド大量投与の前に生検であるが、東京の病院への調整に数日費やす間に症状が悪化することを危惧すること
え?
呼吸中枢・・・?
呼吸ができなくなるってこと…?
ああ、死ぬってことか…
その時の感情は 凪
妙に落ち着いて冷静だったことを覚えています
「あなたはまだ若い
このまま何もせずそれを待つことは出来ない」
先生の丁寧に でも覚悟を持って伝えてくれた言葉に励まされ
わたしはステロイドパルス療法を「やってみよう」と決意しました
どのみち出来ることはこれしかないのです
出来るだけ早く「今日から行いたい」と 先生はおっしゃいました
夕方
集まってくれた家族と一緒に改めて説明を聴きます
上記の説明に加えて、
脱髄疾患の概念 についても話してくれました
●自己免疫疾患であり難病に指定されている ●神経細胞の軸索を覆っている髄鞘(ミエリン)が脱落してしまう ●多発性硬化症MS は脱髄が斑状に中枢神経にでき再発を多発的に繰り返す ●視神経脊髄炎NMO は視神経に影響が出る
現在のわたしの状態は
●頭部MRI、全脊髄MRIで、他の部位に病巣は認めないこと ●画像で腫瘍・他の炎症の否定ができないこと ●診断基準ではMS/NMO等に該当はしない ●脱髄であれば、概念上 Clinically isolated syndrome: CIS という脱髄としても稀な状態 ●第1回目の脱髄であれば今後 MS/NMO に移行していく可能性もある
という・・・
脱髄という稀な病気の上に
さらに稀な状態・・・
その他に
●ステロイドの効果は進展抑制と画像上の改善になること ●効果があったとしても神経回復機能にはかなりの時間を必要とすること ●現状を考えると、ある程度の後遺症は覚悟する必要があること ●ステロイド後に著名な効果や変化があれば今回の生検はなくなるが、今後次の病変ができた場合は生検の話が出てくる事になる ●ステロイド大量投与後に生検をしても病理として判断に迷うような結果しか得られないかもしれないこと ●生検をする場合検査するだけでどこかの機能を失う可能性があること ●ステロイドの影響(免疫・感染・血栓・精神)について
一通り説明を聴き、
わたしも家族も全員でステロイドパルス療法をすることに同意したのでした
ステロイドの大量投与に関して精神的に大丈夫だろうかと不安が大きいわたし
入院が決まってから、妹が できるなら付き添うよ と言ってくれていたのです
一緒にいてくれたらどれだけ心強いだろう…
先生に相談してみます
母も「本人の心の支えになるので妹が付き添いたいと言っています 出来たらお願いします」と伝えてくれます
「わかりました」
先生は妹の付き添いを許可してくださいました
本当に心強くありがたく嬉しい
先生から、精神的なところのサポートに心理療法士の方も関わってくれるというお話もありました
「治療がんばります」
涙もあるけれど、
わたしは最後にはっきりと言った
そう自分に言い聞かせるように…
家族、子供たちとも久しぶりに会えて嬉しかった
もしかして最悪の場合、これでもう会えないとかもあるかもしれないけれど…
頑張れるだけ最後までがんばろう
できるだけ笑顔でみんなと別れよう
腹は決まった
ステロイド大量投与 5日間!
今夜から開始です…
つづく
ヒトはいつ終わりが来るかわかりませんね~
今を過ごしていることは当たり前ではありませんね~ありがたいことです
最後まで読んでくれてありがとう
今日も素敵な一日を
追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました
脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした
脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません
それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います
もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません
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◎野菜を美味しく食べて健やかにお過ごしください
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