やあ~!
朝の支度を初めて自分でやってみた くままま
病室の朝の喜びはとてつもないものでした
その日のリハビリのことです…
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【脱髄疾患CIS闘病記】第24話 歩いて取って、水分摂って | 楽ちんな珈琲タイム (rakuchinkohii.com)
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これはわたしの過去の体験です
ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです
手作りリハビリボード
2020年12月9日
入院19日目
午前中はいつものように手のリハビリ
作業療法士さんと一緒に歩いて病室を出て、
病棟の端の海が見える広場へ向かう
装具を取ってから、最初の踏み出しが
なかなか安定しなかったが
歩き方は日に日に必要のない力が抜けてきた気がする
繰り返す動き、感覚入力の反復は本当に大切だ
手のリハビリ開始
昨日から深部感覚の集中トレーニングが始まっている
ウォーミングアップは
「お手玉を右手で持ち、後へ
左手で受け取って左手で前へ出す」
昨日はさんざんだった
左手の掴む感覚が全く分からない
しかも左手がどこら辺にあるのかも分からない
それでも、繰り返すと
今日は左手でお手玉を掴む感覚が
少しわかる気がするのだ
今日は作業療法士さん手作りの
新たなリハビリ道具が登場!
マス目がある段ボールに
数字が書かれている手作りのボード
この訓練の手順はこう!
① ボードの上に手を置く
↓
② 目を閉じる
↓
③ 数字を言ってもらう
↓
④ 目を閉じたまま手を指定のマスへ移動
これがね・・・
全く違うところに手があるわけですよ・・・
思っているところよりも
感覚のズレがすごくある・・・
やはりこの手で「感じる」のはとても難しい・・・
それでも、幾度も繰り返し
感覚を研ぎ澄ませていく
手で、関節で、肩で
動きを 感じる
んん?こう動かしたら・・・
んん?もうちょっとこうじゃない?・・・
頭は色々と分析を始める
「頭は捨ててください!」
作業療法士さんの言葉が刺さる
そうだった!
頭はお休みするのだった!
「今は体の動きを 感じる ときです」
そうだ!後は体感するのみだ
本当にリアルな毎日だ
頭でズレを感じる、認識する
頭の分析はお休み
体で感じて、体の感覚のズレを修正していく
「どう感じているか」
感じることが全てだ
右手の先生に近づけるように
左手は先生の真似をする
繰り返した先にどのような感覚があるのか
明日が楽しみだ
初めてのシャワー
この日、なんとシャワー室へ行くことになる
入院してから、ずっとベッドの上で清拭だけの生活
たまにシャンプーはしてもらっていた
だけれど、シャワーが浴びれるなんて
ほんとうに嬉しい!!!
そして、シャワー室へ歩いて行く
車椅子じゃなくてだよ!
装具もなくてだよ!
自分の足でだよ!
もう最高だよ!
もちろん、入浴中一人では危ないから
イモコと優しい助手さんが介助してくれる
洋服の脱ぎ着は、
清拭の時に少しずつ練習をしている
時間はすごくかかるけれど
少し手伝ってもらうだけでなんとか出来る
一番は転倒しないこと
滑らないように注意して椅子に座る
シャワーの温かいお湯を浴びることが
こんなに嬉しいとは思わなかった
シャワーは持ってもらい、
わたしは洗う練習
シャンプーをつけて自分で手を髪へ持っていく
右手のようにスムーズな動きでは洗えない左手
すぐに疲れて上げていられなくなる左手
だけど頑張った
結局は右手でほとんど洗った
だけど嬉しかった
入浴は体力がいることを知る
しかし・・・垢がすんごい 笑
毎日体を拭いてはもらっていても、
そりゃお風呂とは違うものね…
これが落ち着くには、入浴を繰り返す必要がある
これは、しばらくかかりそうだ…笑
左手が上手く動かないので
右手を洗うこと
背中を洗うこと
難しさがある
介助してもらうか、
自分でできる工夫を考える必要がある
イモコにも一緒に見てもらえてよかった
どこが出来て、どこが難しいのか
共有してもらえるのは有難い
実際の出来なさを分かってもらえると
助けを求めやすい
でも、思ったよりも自分で出来ることが多く感じた
(まだまだだけれど、寝たきりで何もできなかったころを思うとね…)
家に帰ってからのことも想像しやすくなった
帰って家のお風呂に入るときには
子供たちにも助けてもらえるように伝えたいと思う
優しい助手さんとイモコの手助けのおかげで
無事、初の入浴ができた
最高の気分だった
記録をつけること
わたしの病室へは主治医の他にも
色々な先生が来てくれる
きっと珍しい病気と症状であるからだろうと思っている
先生たちにとっては少しの変化かもしれないが
わたしにとっては大きな変化の毎日なので報告することは山のようにある 笑
この日訪れてくれた先生は唯一の女医さん
救命救急センターから、
一般病棟に移った日に初めてお会いし
それから幾度か顔を合わせている
「最初見た時より、前向きで何より」
先生はそう言ってくれた
一般病棟に移った日から
この先生が言ってくれたことを実践している
「こんな体験誰でもできるわけじゃない
記録を付けていったらいいよ」
その言葉通り、わたしは記録を付け始めた
右手でペンを持つが、痛みと痺れで上手く字が書けない
救命救急センターではスマートフォンの持ち込みは禁止されていた
一般病棟では使用できるので家族に持ってきてもらった
わたしはスマートフォンのメモアプリに、自分の体を通して感じたことを音声入力して記録をし始めたのだ
(この記事たちも、その時の記録をもとに書いている)
ある日のリハビリの時間
作業療法士さんに、記録を付けていることを伝える
すると、作業療法士さんは
「リハビリの記録を付ける人は
回復が早いという臨床結果がある」
と教えてくれた
幸い頭はクリアなわたしに、
先生は自然な形でそのことを勧めてくれたのかもしれないと思いいたる
今日は先生に直接、
記録を付けることを勧めていただいたお礼を伝えることができた
さりげないサポートを
見えるところで、見えないところで
たくさんの方にしていただいて「今」がある
つづく
最後まで読んでくれてありがとう
今日も素敵な一日を
追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました
脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした
脱髄は脳や脊髄の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません
それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います
もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません
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◎楽しくお野菜を食べて健やかにお過ごしください
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