【脱髄疾患CIS闘病記】第36話 退院のきざし

リハビリ記
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やあ〜!

この身体で生きていく覚悟が出来たくままま

動くたびに、細かな気付きがたくさんある

この日の続きのお話です


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これは、わたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


シャワーチャレンジ


2020年12月11日

入院21日目


お昼前

シャワー室へ


助手さんやイモコの見守りの元、病室以外で日常の動きの練習ができることが嬉しい

身体が不自由になり、動けなかった時もそうだけれど、まだ動きに信頼が置けないこの危なっかしい時期も、付き添ってくれる方がいる、助けてくれる方が近くにいるという有難さが身に染みる

病院で入浴の練習ができるようになって、生活のイメージが格段につかみやすい


とはいえ、シャワーが一人で満足にできるまでには、まだまだ先は長そうだ・・・

まず、パジャマ

ボタンの扱いが簡単ではないのだ

そして、マヒ側の左手は着脱時にはコツがいる

着る時は、マヒ側の左から袖を通すと着替えやすいということは、清拭の時から教えてもらい実践していること

ズボンの着脱はトイレの時間に毎回練習になっているが、左手はまだ右手がするようにはズボンを掴んだり、移動させたり上手くできない

指先に引っかけて、肩甲骨や骨を意識してスライドさせることにまだ集中している状態

だから、まだまだ「脱ぐ」とか「着る」とか思うだけで動かせるわけではない

でも、右手の動きに合わせようとしているところ、連動したり、補助しようと動くそぶりがみえることは、成長したなあと感じる


滑らないように、転倒しないように集中しながら一歩一歩ゆっくりと浴室へ

シャワーは持ってもらう

左手でタオルを持つ、洗う動き、練習がいる

左手を使って右手を洗うのは相変わらず難しい

チャレンジするが背中を洗うのは大苦戦

手伝ってもらう

まだまだ工夫が必要

頭は、ほぼ右手で洗う

頭の位置で左手の維持と指先を使うこと難しい

上手くいかない

練習大いに必要


髪はイモコや助手さんが乾かしてくれる

練習として、ドライヤーを持ってもらい、主に動く右手で髪の毛を動かして乾かしている

今日はドライヤーチャレンジ

右手でドライヤーを持ち

左手で髪を動かしてみる


左手を、ここだ!と思う位置へ持っていけた!と思っても、髪を動かすことが難しい

手を上げておくことで精いっぱい

しかも数秒しか持たない

指先まで意識がいかず、髪を撫でているだけww

頭を洗う時同様

やはり左手の高さの維持

後ろへ回す動作、とても苦手


逆に、左手でドライヤーを持ってみるチャレンジ

これがまあ大変!ww

手首がカクンとなってしまう

最近のリハビリを思い出し、親指側を意識して維持に努める

しかし、ドライヤーを持って、同じ位置で上げておくことは長くもたない

すぐに感覚が無くなる


髪を乾かすこと・・・

う~~ん!悔しいがまだまだだ!

今のところ、上手くできない

ほぼ動く右手頼り

でも、チャレンジしたからわかる現状


シャワーの許可が出たときは、喜びが大きかった

一人では難しくても、手伝ってもらったら入浴できる!嬉しい!という喜びだった

今日は細かな動きの方へフォーカスが向く

できるなら、自分で出来るようになりたいと思う


今日は入浴に必要な動きについて、課題が認識できたと思う

これからのリハビリでより良くなるよう丁寧にやっていきたい

今の現在地がわかれば、強化する課題もクリアになる

毎日淡々とリハビリをするのみ!

調整していこう


しかし、お風呂はやっぱり最高です

このさっぱり感は、清拭だけでは難しい

右手のようには、スムーズに動かないが

シャワー室へ行けること、本当に ありがたい


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食事の喜び


お昼ご飯

今日のメニューはカレー


先日、管理栄養士さんに「おにぎり」から「ご飯」に変更してもらった

入院した初めのころは、

介護スプーンですくいやすいように、「小さく刻まれたおかず」

手で掴みやすいように、「串刺しになったおかず」

そして、ご飯は手で掴めるように「おにぎり」にしてくれていた

手を動かすことが、しんどい時には本当に助かった

長く座っていることも辛かった当時、本来なら手が不自由で時間がかかるものを、食べやすく工夫していただいたおかげで、食べることに集中しやすかった

そこから、おかずが「原型」になり

先日、「ご飯」に戻った

ご飯になると、カレーや丼が出せると管理栄養士さんから聞いていた


入院してから、初めてのカレー

わたしの大好きなメニューの一つ


メニューが広がり、食事がさらに楽しい

久しぶりに食べたカレー

嬉しかった

本当に美味しかった

自分でスプーンやお箸を使えること

食器を持てること、

美味しいと感じながら咀嚼できること

普通食が食べられるようになった今に感謝だ


あと、しみじみ思うのは

取手付きのお椀や持ち手の太いスプーン、片側に傾斜があってスプーンですくいやすいお皿、持ちやすいように広くなったフチ、滑り止め、などなど・・・

食べやすい工夫のある介護食器の有難さ

もう少し、左手の訓練をして普通の食器でも食べられるようになりたいな・・・


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退院のきざし


脳神経内科の主治医が来てくれる

検査結果が出たそうだ

脱髄の自己抗体

異常なし


初期に自己抗体があっても、ステロイドでマークされている可能性あるとのこと

腫瘍の可能性もまだ否定は出来ないが、回復している今、生検や手術をして取りにいくという選択はない

ステロイドは長期的に使っていくこと

今後も新たな変化がないか、定期的に経過観察していくこと

もし変化があれば、また治療(ステロイドの大量投与)を行って対応すること

ステロイドの副作用で骨がもろくなるので、まだ若いが骨粗鬆症の薬を飲んで予防していくこと

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来週、全身のX線と頚椎MRI 画像検査を行うこと

先生は、一通り説明して最後にこう言った


来週か再来週、

 家へ帰る方向で考えています


・・・家へ帰れる

リハビリ病院へ転院ではなくて?・・・


しみじみ嬉しく、静かに涙する

ここまできました

人は本当に嬉しい時は、飛び上がるでもない、高揚するでもない

しみじみ涙するのだと知る

「おめでとう」

先生が病室を後にしてからも、イモコと二人で嬉し泣きは続いた


入院当初、この救急病院の後はリハビリ病院へ転院し、最長6か月のリハビリをする予定だった

そして、当初の目標はベッドから自力で車椅子に移乗できるようになることだった

そう覚悟していた

でも・・・

今は車椅子は必要ない

装具も外れて、自力で歩いている

毎日目の前のことに必死だったが、客観的にみると全介助からかなり自立した

手の細かな動きはまだまだではある

だけど、ここまで出来るようになるとは入院当初は思ってもみなかった


家に帰れる・・・

退院まで、できることをやり続けよう

少しでもできることを増やそう


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つづく


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません


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