やあ~!
先ほど庭の草取りをした くまままです
外で大地を踏みしめていると、足の裏から入ってくる「立っているという感覚」がより一層感じやすい気がします
感覚が吹っ飛んでから、歩くことは半ばあきらめていた入院当時・・・
新たな感覚入力をし続けているおかげで、再び当たり前のように歩けるようになっている現在・・・
しかし、それまでの道のりは本当に大変なものでした
今日は装具と出会ってからの足のリハビリの続きをお話ししようと思います
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【脱髄疾患CIS闘病記】第9話 装具との出会い-くままま立つ | 楽ちんな珈琲タイム (rakuchinkohii.com)
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これはわたしの過去の体験です
ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです
足の運動
2020年12月1日
入院11日目
午前中は 手のリハビリで主に上半身の動きを訓練
午後は 足のリハビリ
これが入院中のわたしの日常
体のこわ張りがひどく、上半身をほとんど満足に動かせないここ数日・・・
そんな状態でも、午後は規則正しくやってくる
理学療法士さんが病室へ来てくれた
足のリハビリの開始である
今日もベッド上での基本動作から始める
毎日朝起きてから、この基本動作をベッド上で自主練習するようになった
こういうところは とても真面目な わたし 笑
まずは、ベッドに寝た状態で 膝を立てる
そのまま 腰(お尻)を上げて 下す運動 → 20回
これは、体幹の維持にも良い動き
立ちる、歩くなどの動作には体幹も大いに使っている
「くまままさんは、体幹がしっかりしていてよかったですね」と後に理学療法士さんに教えてもらう
続いて、同じく膝を立てた状態で
左右に膝を倒す運動 → 20回
骨盤がおのずと動く
骨盤は動きの要
可動域があるのにこしたことはない
次に、足を伸ばして 片足ずつ
左右の足首を回す → 20回ずつ
(左は回っているとは言い難い動きであるが頑張る 笑)
引き続き 足を伸ばした状態で
全ての足の指を曲げる運動 → 20回
(こちらも左は曲がっているのか?な状態だけれど続ける 笑)
この基本運動は現在も毎日行っている
ゆっくりと感覚を感じながら動かしていく
こうして動かせることに、
感覚を感じとれることに、
感謝しながら
基本的な動作の練習
次は基本的な動作の練習
まずは、寝返り
ベッド柵を右手で持って体を横にする
これはだいぶ上手にできるようになってきた
そして、起き上がる動作
使える右手で支えながら体幹を使って起き上がる
こちらは、ゆっくりと一人でなんとかできるようになったけれど 上手…とはまだ言い難い
ベッドの端に足を下して座る
座った状態で姿勢を維持
体幹は使えるので、座る姿勢は割と安定している
座っている姿勢から車椅子へ移乗する
まずはベッドから 立ち上がる
立ち上がる動作はまだ不安定
理学療法士さんに支えてもらいながら立ち上がる
次に 車椅子に座る
右足を車椅子の車輪の間に入れて、車椅子に手を置いて支え 半身になって座る
この一連の動作はまだ手伝ってもらわなければできない
これから、改善の余地はまだまだある
車椅子を押してもらいホールへ移動する
大きな窓があるホールからは海がきれいに見えた
病室を出て違う景色が見られるのはとてもいい気分転換なのだ
部屋を出るこのリハビリの時間は毎日のわたしの楽しみになっていた
バランス
ホールで、きれいな景色を眺めながら 左足に装具を着けてもらう
この数日毎日着けているので装具にもだいぶ慣れてきた
つま先から股関節の付け根まで今日もがっちりとホールド
まずは、手を持ってもらい
左足に装具を着けた状態で 立ち上がる
左足は装具に包まれているので、膝を曲げることができない
立ち上がるのにはちょっとコツがいる
両足を床につけて 立つ
動けている時には、普段「今立っているぞ~」なんて意識はほとんどしない
それほど当たり前だから
考えなくても「立っている」と信じきっているから
このただ立つという動作がこんなにも難しいとは・・・
これも動かなくなってから改めて知ったこと
車椅子移乗の時には主に右足で支えている
1日の中で左足に荷重するのは装具を着けている時だけ
左足はもちろん、感覚はまだ感じ取れない
床についているのに、踏んでいると感じない
ただ、足元ばかりを見ていても、まったくバランスはとれない
だからといって、前を向いたところで
右へふらふら・・・左へふらふら・・・
バランスをとるのが難しい
リハビリの最後のほうには なんとなく真ん中の感覚がつかめてくるのだが、次の日になると また真ん中探しから始める・・・そんなここ数日である
左足の感覚が感じ取れないので、頼りにするのは他の感覚
右足がついている、踏ん張っている感覚、目線、三半規管、機能する様々な感覚を使ってバランスをとろうとフル稼働・・・
自分の 真ん中 バランスがとれるところ を探りながら
立つことを習得しようと今に集中する
左の感覚は感じ取れないし常にふわふわしている
例えていうなら無重力に浮いているような感じ
けれど、実際は筋肉は過度に緊張して力をうまく抜けない
はたまた、右側は以前と同じ感覚のまま
この相反する両者を同時に使い、真ん中を探るのは本当に難しいのだ
ここで、自分なりに実験をしてみることにした
どうせ上手くいかないのだし、この際なんでも試してみるのにこんなに良い機会はないかもしれない
今までは、以前と同じような感覚に持っていこうとしていた
つまり、残っている右側の感覚に左を合わそうとしていたのだ
だが、そもそも左は感覚がないので合わせに行くこともできないのだとようやく気付く
ならいっそ、逆にしてみてはどうだろう
という単純な発想だった
左の浮いた感覚 が 標準 とイメージしてみる 笑
床についているのか、ついていないのかもよくわからないような感覚
これに、右の感覚を合わせに行く
感じることとイメージを組み合わせる
右足の土踏まずあたりから、体をぐる~っと回って左足に抜けていくような感じ
無重力~が真ん中~
すると、
ふっと力が抜けて楽に立てるポイント があることに気付く
すると 真後ろでいつでもわたしを支えられる態勢の理学療法士さんの声がする
「今 上手く立てていますよ」
この位置こそ 真ん中
うまく左右のバランスがとれている場所
この位置では 要らない力は必要ない
すごくすごく楽に立てるのだ
ここを「0ポイント」と名前を付けることにした 笑
この日から、この「0ポイント」を意識して基本的動作の練習をしていく
この日、病室に話を聴きに来てくれた心理士さんにこの個人的実験のことを話す
すると、それは心理学的には「グラウンディング と呼ばれる手法」なのだと教えてくれた
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とにかく、左足に「これが床についてる感覚だよ!」「これが立つだよ!」と体の重さを乗せて感覚入力を繰り返す
皮膚から入力された感覚は電気信号となって、神経を通り伝わっていく
ビリビリ ビリビリ・・・・
伝わっていくのが分かる
感覚入力すると必ずこのビリビリとともに「うお~~!感覚入力してる~~!」という感覚はやってくる 笑
これを繰り返すことで、また新たな回路が強化されるのだろう
体は偉大である
立つ姿勢になれたところで、装具を着けたまま 歩く
まだ、体を支えてもらいながらではあるが、自分で足を振り出す感覚は少しずつ上手くなってきたように感じる
このままゆっくり一歩一歩足を振り出して病室まで戻る
一番初めの歩行訓練は「体を持ち上げてもらう」に近い感じだった 笑
ほんの少しではあるが、進化を感じることができるのは嬉しいものである
もっと頑張りたい
また自分の足で歩けるようになりたい
この希望が今日も わたしを前に向かせてくれる
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【脱髄疾患CIS闘病記】第9話 装具との出会い-くままま立つ | 楽ちんな珈琲タイム (rakuchinkohii.com)
寝返り、起き上がる、座る、立ちる、車椅子に移乗する、歩く
この一連の基本的な動き
体が動くときには、何も考えずともできた簡単な動き
動けなくなってから、もう一度習得していく過程は
まるで赤ちゃんからやり直しているようだ
思うようには簡単にいかない
何度も バランスを崩し
何度も 練習を繰り返す
少しずつ 少しずつ
もともと赤ちゃんだった わたしは、
もともと何もできなかった
赤ちゃんだった時も 寝返りの練習から始めた
何度も何度もバランスを取りながら
何度も何度も尻もちをついて
ゆっくりゆっくり立ち上がった
もう一度やるだけだ
例え、できなかったとしても、大丈夫
初めからできないのだから 笑
一度動きを失ったわたしにとって
感じ取ることは すべてが新鮮だった
それはまるで 生まれたてのように
そんな気持ちでリハビリに向かう日々は続く・・・
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●体からの学び
#基本動作は動きを感じながら繰り返して感覚入力
#動けることに感謝!体に感謝!
#力が上手く抜けるポイントでは楽に立てる!
#赤ちゃんの気持ちで新鮮にチャレンジ! 笑
#上手くいかなくても大丈夫!初めから何もできないのだから 笑
最後まで読んでくれてありがとう
今日も素敵な一日を
追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました
脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした
脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません
それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います
もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません
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◎美味しく野菜を食べて健やかにお過ごしください
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