【脱髄疾患CIS闘病記】第20話 外れて嬉し

リハビリ記
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やあ~!

今日は闘病記の続きのお話をしようと思います

入院してから体の周りは線だらけ

点滴、尿道カテーテル、血圧計、パルスオキシメーター、モニター心電図、血栓予防のフットポンプ・・・

動けるようになるにつれ、少しずつ体に繋がっている線が減っていきました

リハビリで動くことが多くなってきたころ

尿道カテーテルを外すことになりました

今日はそんなお話・・・


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これはわたしの過去の体験です

ちょっとした物語と思って読んでいただければ幸いです


尿道カテーテル外れる


2020年12月7日

入院17日目


膀胱直腸障害が出ていたため

自力で排尿ができなかったわたしは

入院当初からカテーテルと呼ばれる管を尿道から膀胱に通して留置していた

移動するときはいつも尿バックと一緒


これからずっとのお付き合いかなあ~

もしくは導尿を覚えて帰らなきゃならないかな~

とぼんやり思っていたわたし

つまり、今後自力で排尿することはあきらめていたに近いのだった

後遺症として排尿障害は残る可能性が高かったら



歩くリハビリが進んできたころ

診察に来てくれた先生がこう言った


「おしっこの管抜いてみましょう」


なんと!

尿道カテーテルを抜くという!


ほんとうですか!?先生??


ということは

わたし、自力で排尿できるの???


抜去後、排尿がなかったり、残尿が多い場合は もう一度考える

・・・ということで



祝!

おしっこの管が外れた!



はあ~~~一つ管が外れたことで

気分はこんなにも快適で軽やか

わたしのベッドサイドに

もう尿バッグの姿はない

とはいえ、本当に自力で排尿できるのかどうか・・・

そんなことを思いながらベッドで寝ていた疑い深いわたしの気持ちに反して、体の方が先に反応した



ん??

なんだか おしっこしたいかも??

・・・・・



何とも久しぶりなこの感覚・・・


祝!

わたしは 尿意を感じた



まだ病室外の歩行は許可されていないわたし

部屋の外にあるトイレに一人で歩いて行くことはできない

仮にトイレにいったところで、足元はふらつき、まだ手が上手く使えないわたしにとって、ズボンの上げ下ろし、便座に座ること、お尻を拭くこと、全てが満足に出来ないことばかり・・・


ポータブルトイレで感動


ダメ元で挑むはトイレ

入院してからのわたしにとっては

大一番のチャレンジと言っても過言ではない


ポータブルトイレをベッドの横に置いてくれた

支えてもらってそこへ座り

看護師さんの見守りの中、用を足すことを試みる


無言で挑む

緊張の瞬間

固唾をのんで見守る

イモコと看護師さん


こんなに長く感じる時間もそうそうない


・・・・・


♪ピヨピヨピヨ~~~

♪ちょろちょろちょろちょろ~~~


・・・・・


イモコが家から持ってきてくれたCDからは自然の音が癒しのバイブレーションを伴って静かな病室に流れていた

高原の鳥の声と清流の音・・・


静けさの中では小川の流れる水の音がやけに大きく聞こえる

気分は小川横の青空トイレ?

・・・


いいえ!これは!

まるで 音姫 笑笑


※音姫(オトヒメ)とは、くまままが公共のトイレでよく見かけるボタンを押すと水の流れる音が発生し、用を足す音をかき消してくれるというお役立ち装置のこと


そんなことを思った矢先、

その瞬間は訪れた

少々身構えていたのだけれど

思ったより痛みもなく

量も十分だった

そう!

排尿があったのだ

ポータブルトイレで

自分で排尿できた


ポータブルトイレに座るわたしは

尿が出始めた瞬間、

「でた~~~」と言葉を発し

目からは涙が流れ出した

もう ただ

嬉しくて 嬉しくて

泣いた

自分でおしっこができることは

こんなにも嬉しいことだったのだと

この時ばかりは実感した

当たり前に出来ること

それが出来なくなって知る

有難さ・・・

この出来事は私史上、出来るようになって嬉しかったことランキング1位を獲得することになる


この時から、イモコとわたしの間では

いつもの癒しの自然音のBGMは、ポータブルトイレ使用時にのみ「オトヒメ」と呼ばれることになったのは言うまでもない 笑


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これからしばらくは、排尿時には看護師さんを呼んで介助と見守りをしてもらう

その後、看護師さんは尿量チェックと膀胱のエコーを撮って、毎回残尿の具合を確認することになった

この日から、一日に何度もやってくる排尿の度にズボンの上げ下げ、便座に座る、お尻を拭く・・・という動きを幾度となく入力していくことになる

看護師さんに見守られながら、回数を重ねる度に介助の手はだんだん少なくなっているようだった

やはり日常生活の動きを繰り返しながら一連の動きを再獲得するしか道はない


幸いにして、毎回排尿量も十分

膀胱内の尿残量も少なく

排尿機能は回復し保たれているようである

この日以来、退院の日を迎えるまで再び尿道カテーテルを挿入することはなかった


ただ用を足すという以前のわたしにとっては当たり前だったことができるだけで

わたしは心から喜び

そしてひどく安心した


つづく


最後まで読んでくれてありがとう

今日も素敵な一日を


追記:わたしが脱髄疾患(clinically isolated syndrome:CIS)と診断がつき、病気のことについてネットで検索しました

脱髄疾患の中でも、難病指定されている 多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)の情報はあるのですが、第1回目の脱髄であるCISは人数が少ないこともあるのか、その後MSやNMOSDへと移行する可能性があるからなのか、あまり情報がありませんでした

脱髄は脳や神経の発生する場所によって、症状も様々だと思いますので、必ずしも わたしの体験と同じということは少ないかもしれません

それでも、病気と向き合う中、体や心、日常で感じることは似たこともあるのではないかと思います

もし同じような状況下にある方や、周囲で支える立場にある方々、病気の情報が欲しい方に この記事たちが何かのお役に立つことがあるなら こんなに嬉しいことはありません


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